2013年12月7日土曜日

匹見のわさびが教えてくれたこと

最近自分の興味ある情報は『るるぶ』や『じゃらん』に載ってない
本当に面白いことって本には書いてない
人が教えてくれると思う

匹見わさび

先日、しまコトアカデミーさんのインターンシップに同行させていただき
島根県益田市匹見町の葵屋さんのわさび田を見学させていただいた。
匹見へIターンしてきて、葵屋で働いている方から
わさびについて様々なお話を教えていただいた。

まず、わさび田を見るまでに歩いて歩いて歩いて

一人で渡るのは恐い!木の橋。

こわーい橋も渡ってやっと到着した。
標高約1000m。登るだけでも一苦労!!!

標高が高く、既に雪もつもっていた。
空気はとっても澄んでいておいしかった。

私たちはゼーハーゼーハー言いながら登ったけど
わさび農家さんは毎日ここを登っているかと思うと圧巻...

川には一面のわさび!
わさびは販売できる大きさに成長するまでに約3年かかるのだが
これはまだ1年目くらいのわさびちゃんたち。

わーさーびー田ー!感動

初めて知って驚いたんだけれど
普段、わたしたちがチューブから出して食べるわさびは
畑で育てられており、根っこの部分ではなく茎の部分を使っているらしい。

畑で育てられているわさび(イメージ図)

チューブわさびに利用される茎(イメージ図)

一方で、匹見わさびは川で育てていて、根っこをおろして食べる。
しかし、匹見わさびのような山奥で育てられているわさびは雪や雨で
わさびどころかわさび田自体、あっと言う間に破壊されてしまう。
その度に、わさび農家さんは川をならし、わさび田を
作り直すところから始めなければならない。

そう考えると、3年後にわさびが販売できる形で
元気よく育っている可能性ってすごく低い。
当たる確率の低い博打のように思ってしまった。

それだけのリスクはもちろんあるが、
手間をかけて育てた分、匹見わさびは
特有の粘り・辛み・甘みが際立ってとてもおいしい。

チューブのわさびと匹見わさびを実際に食べ比べてみた。
まず、見た目の色から違うし
味はチューブのわさびはとっても塩辛かった。
匹見わさびはふわふわしていて、わさびだけで
たくさん食べれてしまうほど甘く、おいしかった。
(匹見わさびはこちらから購入することができます)

左:匹見わさび 右:某メーカーのチューブのわさび
匹見わさびがおいしすぎて、みなさんぱくぱく食べてた。

匹見わさびは、以前は『東の静岡・西の島根』と称されるくらい
全国的に誇れるわさびだったらしい。
しかし、過疎高齢化の影響で後継者が減少し
わさび田は荒れ、匹見わさびの生産量はいった。
匹見は日本で初めて『過疎地域』と名付けられた地域らしい

そんな中、現在ではもう一度匹見わさびというブランドを
全国へ発信していこうという動きが出ている。

匹見わさびを川で育てることで環境にもメリットがある。
人間がわさびを育てるために川の整備を行うため、川が荒れない。

た匹見わさびは、石州瓦とのコラボレーションに取り組んでいる。

コラボレーションの一つ目として、ワサビを栽培する渓流の土壌に、
細かく砕いた石州瓦を利用する取り組みが行われている。
傾斜がきつく、増水で土が流れやすい渓流栽培の弱点を補い、
根の張りをよくして品質を高める効果を期待している。 
また、石州瓦は販売できない砕けた瓦を使うので
お互いにとってメリットがあると言える。

コラボレーションの二つ目には、石集瓦で作られたわさびすり器を作り
わさびとセットで販売することを目指しているという。

瓦で作られたわさびおろし器
めっちゃかわいい!

わさび田を見に行き、わさび農家さんのお話を聞いて思ったことは
わさびを川で育てるということは想像以上に大変!ということ
もうこれは、実際に見に行っていただかないと分からない。
逆に言えば、見に行っていただけば一目瞭然

でも、それだけ手のこんで作られたわさびがまずいわけがない!
最近は、匹見わさびの味が忘れられなくてチューブわさびに
満足できない日々を送っている。

Iターン者さんのお話によると葵屋は独自の販売ルートを見つけ、
生産から販売まで行っているらしい。
おかげさまで現在では、三ツ星レストランからも
受注していただけるようになったという。

しかし、島根県匹見へIターンしてきたわさび農家さんの全員が
独自の販売ルートを持っているわけではない。
ほとんどのIターン者さんがわさびを生産するだけで
精一杯で販売にまで手が廻らないのだ。

それを助ける役割をしていたのが農協だったが、
いまでは農家さんは皆口をそろえて『農協が』『農協が』と言う。
農協は正当な値段で買ってくれない、と。
農協が正当な価格で買ってくれない → 農家は農業だけでは生計が立てられない
結果として農業をやる若者はいつまでたっても増えない。
今後、独自の販売ルートを見つける農家は増えていき、
農協は必然的に需要がなくなってくるのではないのだろうか。

しかし、独自の販売ルートを開拓できる人のみが農業をやればいいのか。
それはちょっと違う気がするなあ〜

農協はリノベーションの余地はないのか。
農協に代わる新しいコンサルティングが出現するのか。

うーん、難しいところだなあ
(偉そうに言ってごめんなさい)


あと、わさびの話を聞いて思ったけれど
リスクの高い農業という職業には、海外で行っているオープンデータを利用した
農家を対象とした収入保険社会商品(Total Weather Insurance)とか
すごいありがたい話だろうな。
需要あるだろうね


とにもかくにも今回は本当に勉強になりました!
とっても面白かった!
今回匹見わさびをご紹介してくださった皆様、
本当にありがとうございました♡

もっともっと島根のこと知りたーい!

2 件のコメント:

  1. 先日TVで匹見のわさび、そして石州瓦のわさびすりおろし器の紹介をしていました。インターネットで検索していてようやく貴女のサイトに辿り着きました。セット販売を模索している、との記述がありましたが どういう方法で購入できるのでしょうか?もちろんわさびとのセットでも大丈夫です。東京在住です。

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    1. いとうさん
      初めまして、こんにちは!ご連絡いただきましてありがとうございます。
      石州瓦のわさびすり器はこちらのHPで購入することができます。
      【HP】http://www.hikimiwasabi.com/
      【オンラインストア】https://aoiya.stores.jp/#!/
      ご参考にしていただけましたら幸いです。

      また何か分からないことがございましたら、お気軽にコメントよろしくお願いします!

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